その男性はとても立派な体格をしていましたが、いつも夜になってから女性に会いに来ては夜明け前には帰ってしまうので、女性は明るいところで男性の容姿を見たことがありませんでした。
そのうち女性は妊娠しました。
そんなことを何も知らない両親は娘の妊娠に驚き、相手が誰なのか問いつめました。
娘は「名前も何も知らないけど、姿のとても立派な男の人が毎晩来て、夜明け前には帰ってしまうのです」と両親に説明しました。
では、こうしなさいと、両親は娘にこう助言しました。
「その人が来たら、寝床の前に赤土をまきなさい。そして麻糸を通した針を男性の服に刺しておくのです。あとでその糸をたどれば、男性の住んでいる場所がわかるでしょう」
娘はそれを実行し、男性が帰ったあとにその糸をたどると、三輪の神社に着いたので、相手が三輪の神様である大物主神(おおものぬしのかみ)であることを知ったのでした。
その昔には、赤土には邪を防ぎ、相手を特定してくれる力があるとされていたから赤土をまいたのであり、その赤土が付着した糸が《運命の赤い糸》になったのだそう。
そしてこの三輪山伝説によって《運命の赤い糸》が広まり、結婚の際におたがいの小指に赤い糸を結ぶのが流行した・・・という事実があったのが、どうやら《運命の赤い糸》が現代に定着した理由みたいです(・o・)
ふ〜〜〜ん、って思いつつも、いくつか???な点が。
まず、女性は、夜にしかやって来ず、夜明け前には帰ってしまう、はっきりと顔の見えない男を不審に思わず、しかも関係まで持つ・・・って、ちょっとどうなんだろう?、と。
そして、何でもお見通しのはずの神様が、服からのびた糸をひきずりながら帰っていることに気がつかないとかあるかな??、とか(笑)