シュートが決まって子供たちといっしょに喜んだかと思うと、小さな子供に抱きついたまま膝を地面につき、嗚咽するシーンがあるのですが、言葉(台詞)などなくても伝わることを西川監督は教えてくれます。
説明は何もないのですが、自分にももしかしたらこういう普通のことを喜べる生き方ができたかもしれないのだと、三上はいまさらながら気が付いたのでしょう。
「どうしたの、おじちゃん?」
心配する子供の声に答えることもできずに、ただただむせび泣く三上。ぼくもいっしょに嗚咽してしまいました(TдT)
三上のドキュメントを撮ろうとする元テレビディレクターの津乃田役の仲野太賀さんは、役所さんにインスパイアされたかのようないい演技を見せてくれます。
スーパーの店長役の六角精児さんは、厳しくも温かく三上を支えようとします。六角さんも、さすがの演技でした。
この他にも三上を支えようとする人物がたくさん現れ、三上もアルバイトの職に就けたり・・・
今後の仕事のためにも運転免許を取得しようと努力したりしますが、塀の外の世界の風当たりは強く、犯罪者ではなくても陰湿な行動をする者が多いことを目の当たりにするたびに、三上は自分が歩んできた道はもちろんですが、まともだと思っていた道にも疑問と逡巡を覚えずにはいれません。
そんな感情の揺れを、役所さんは見事に見せてくれます。そしてそんな三上を応援したい気持ちで映画を観ていたのですが・・・。
そしてどうなるのかは、ぜひ映画をご覧ください。
映画のタイトルである